OCは、低用量経口避妊薬であり、今の日本で使える最も確実で安全性の高い方法として認可され、皆さんに少しずつ理解して使っていただけるようになりました。

診療内容

バースコントロール(避妊)

「予期しない妊娠」が女性に及ぼす影響は肉体だけではなく、仕事、生活、結婚などに大きく関係します。きちんとした知識を持って、バースコントロールすることが必要です。
避妊法にはいろいろな種類がありますが、自分の体やライフスタイルに適した方法を選びましょう。低用量経口避妊薬(ピル・OC)や子宮内避妊リング(ミレーナ)があります。

ピルとは?

日本では、避妊を目的として処方される低用量経口避妊薬(OC)と、月経困難や子宮内膜症などの治療目的で保険診療下に処方される低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)と区別されています。OC・LEPともに思春期から性成熟期の女性に大きなベネフィットをもたらします。

当院取り扱い自費ピル(OC)

当院取り扱い自費ピル(低用量経口避妊薬:OC)
・マーベロン:保険ピルと同様にホルモン量が一定の1相性ピルといわれるもので、にきびにも困っているひと向き
・アンジュ:実際の体内で起こっているホルモン分泌量の変化に近い状態の3相性ピルといわれるもので、不正出血などの副作用が少なめ

ピルの効果と副作用など

(1)排卵を抑制する (2)精子を子宮に入りにくくする (3)着床しにくくする というトリプル効果で妊娠を妨げます。
排卵を抑制する効果はそれによって、月経前症候群(PMS)や月経困難症(月経痛)、排卵痛など月経に伴う不快感をとりのぞいてくれます。やめれば排卵が回復して妊娠が可能になります。

副作用も低用量になった事でほとんどなく、ときおり飲み始めのころには不正出血や胃の不調を訴える方もありますが、服用を中止しないといけない場合はほとんどありません。 OC・LEPのリスク・ベネフィットを正しく理解してうまく利用することで、避妊や月経随伴症状にお悩みの多くの女性の不安が解消される可能性があります。

ピルの服用について

服用できないひと

リスクの方がベネフィットを上回るため服用できません。
初経発来前、50歳以上または閉経後、35歳以上で1日15本以上の喫煙者、重症高血圧、糖尿病、高脂血症(高齢、喫煙、糖尿病、高血圧伴う)、妊娠中、産後4週以内、授乳中、術前4週間・術後2週間、長期安静状態、心臓弁膜症、重篤な肝障害、前兆(目がチカチカする)伴う片頭痛、乳癌、血栓素因あり、抗リン脂質抗体症候群

服用に注意が必要なひと

服用については医師と相談してください。
40歳以上、BMI30以上、喫煙者、軽度高血圧、糖尿病、高脂血症、心疾患、肝障害、胆石、片頭痛、乳癌既往、乳癌家族歴、血栓症家族歴、血栓性静脈炎、子宮頚部上皮内腫瘍(CIN)、子宮頚癌、有症状で治療が必要な子宮筋腫、ポルフィリン症、テタニー、てんかん、腎疾患、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)

自費ピル(OC)処方の流れ

処方前:問診・血圧・体重測定、35歳以上で普段検診されていないかたは、先に検診(子宮頚癌検診、採血)をすすめます  

・服用開始後1か月:問診、血圧測定
・服用開始3か月後:問診血圧測定 ※以後受診毎に問診・血圧測定
・服用開始後1年目(以後1年毎に):問診・血圧・体重測定、子宮頚癌検診、採血  

その他の避妊方法

緊急避妊法「モーニングアフターピル」

性交から72時間以内に服用することで臨まない妊娠を防ぐことが期待できる薬剤です。妊娠阻止率は81%(国内臨床試験)と言われています。副作用として頭痛、吐き気、不正出血などがありますが、症状は1ー2日でなくなることが多いです。

子宮内避妊リング(ミレーナ)

ミレーナは黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出する子宮内システムです。低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能という特徴を持っています。
・副作用:月経出血日数の延長、月経周期の変化、卵巣嚢腫、ミレーナ除去後の出血、月経時期以外の出血、腹痛、自然脱出
・重大な副作用:骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、穿孔

ミレーナがつかえないひと

性器癌の疑い、黄体ホルモン依存性腫瘍、診断の確定していない不正出血、子宮形態異常、性器感染症(カンジダ除く)、3か月以内に性器感染症にかかったひと、子宮外妊娠をしたことがあるひと、以前に子宮内リング装着で迷走神経反射を起こしたことがあるひと、妊娠の可能性があるひと

自費ミレーナ装着の流れ

1年以内に検診歴の無い方は、先に検診(子宮頚癌検診)を受けていただきます。
・初診時:問診、検診、ミレーナ装着の予約
・再診(月経期間中に受診):検診結果確認とミレーナ装着

装着時期は月経開始後7日以内です。装着後は3か月以内、装着6か月後、装着1年後、その後は半年から1年毎の検診が必要です。抜去時期は月経以外に抜去すると、除去前1週以内に性交渉があれば妊娠する可能性があるので、月経時の除去がおすすめです。